日本企業における残業の意義
はじめに
日本人はよく残業すると言われている。姉はある国際的な大企業に勤めている。そのために、彼女はいろいろな国の人と接することができる。「会社で残業時間が一番長いのはどの国の人?」と聞いてみると、「日本人だ」と姉は答えた。友達は中国で単身赴任の日本人に中国語を教えている。彼女から「あの日本人は残業ばかりしている。平日はもちろん、休日さえも残業する。」ということを聞いた。確かに、日本企業での残業は極普通のことである。それに、日本国内では最近サービス残業(賃金不払い残業とも言う代写日本留学生论文)、持ち帰り残業など統計に現れない残業の増加と伴い、過労死現象は社会問題としてますます深刻なってきた。
いったい、どうして日本企業で残業が盛んでいるのか、また現代日本企業にとって残業がなくした方がよいのではないだろうか。ここで、筆者は以上の問題について検討してみたいと思う。そのう留学生日语论文代写价格え、簡単に残業の行方を予測してみたい。
以下においては、まず残業の定義と現状について、簡単に述べ、次に日本企業で残業が盛んでいる原因と残業過剰がもたらした影響の分析を通じて、現代日本企業で残業の意義を検討する。
1.「残業」の定義及び現状
1.1 残業とは何か
フリー百科事典『ウィキぺディア』によると、残業とは労働基準法に規定された法定労働時間(日本で休憩時間を除き、一日について八時間、一週間について四十時間である)を超えて労働すること。通常は就業規則などで定められた所定労働時間を超えて労働すること。同じ意味の言葉に、時間外労働、超過勤務がある。
労働法では、時間外労働を行う場合は割増料金を支払うことが定められている。しかしながら、一部の企業では残業に対して法律で定められた料金を支払わないことも多くある。その場合、労働者はサービスで残業をしている。
日本留学生论文代写网フリー百科事典『ウィキぺディア』によると、サービス残業とは雇用主から正規の資金つまり労働基準法が定めた時間外労働手当が払われない時間外労働の俗称であり、資金不払い残業とも言う。このようなサービス残業は企業の効率化による人件費抑制と人減らしなどの原因で、最近日本全国で一般化してきた。
1.2 日本企業における残業の現状
今、日本企業での残業はどのような状況であろうか、日本人は残業に対するどう思っているのか、日本国内のアンケートを見ると、その一部の状況がわかる。
図表1と図表2は「日本の人事部」というウエブサイトが「日本人の労働時間」に関するアンケートの結果の一部分である。調査期間は2007年11月22日~12月10日で、調査対象は「日本の人事部」に登録している企業会員、ビジネスポータル「cybozu.net」の利用者などである。有効回答数は729件である。
図表1
図表1に示されているのように、調査対象全体1ヶ月の平均残業時間について、「10~30時間」の184人が一番多い、調査総人数の約25%に当たる。次いでは「31~50時間」の161人と「10時間未満」の144人である。一方、残業はないと回答した人が92人しかない。ここから、残業をする人は残業をしない人よりはるかに多いということがわかる。また「71~90時間」44人、「91~100時間」17人、「101時間以上」24人というデータから見れば、長時間残業を定例化している人が多いこともわかる。
図表2
図表2が示した通り、「残業はなくしたほうが良いと思いますか?」という質問に対して、54.2%つまり半分以上の調査対象が「はい」と回答した。「いいえ」と「わからない」を回答する人はそれぞれ調査全体の28%と17.8%を占めた。このデータから見ると、日本人はよく残業するが、数多くの人は残業が好きだとは言えない。
ところで、最近日本でサービス残業問題もクローズアップされている。サービス残業の形態はさまざまあるが、その中で特に外食チェーン、小売業などでの「名ばかり管理職」への残業代未払いが大きく取り上げられている。「名ばかり管理職」とは「店長」、「課長代理」といった名前だけをつけ、実質的にはほとんど権限を与えられていない肩書きだけの管理職である。労働基準法では法定労働時間を超えて、労働者を働かせば、労使間で「36協定」を結び、割増の残業代を支払うことを定められているが、この規定は管理職について適用しない。そこで、名ばかり管理職に昇進させ、少額の管理職手当と引き換えに残業手当をカットする方法が採られることがある。それがゆえに、日本国内でサービス残業が常態化している人も少なくない。
1.3 欧米、中国企業における残業の現状
ヨーロッパ人から見ると、アメリカ人はよく働いているそうだ。しかし、アメリカで労働者が自分の意志の上で残業するかどうかを決めることが多い。すなわち、労働者を強いて残業させることができない。また、雇用者は労働法による残業代をきちんと払っているから、多くのアメリカ人が残業代のために残業するようだ。つまり、アメリカ人が自分のために残業することが多い。
ドイツ人とフランス人が残業することが少ないと言われている。ドイツ人が休憩権利を重んずるから残業はあまりしない。フランス人がロマンチックだと思われている。これはたぶんフランス人があまり残業しないの一つの理由であろう。
最近、中国企業での残業現象も多くなってきた。なお、サービス残業も出てきた。
しかし、日本でサービス残業の多さそして長時間労働による過労死現象が社会問題になってきたので、ほかの国と単純に比較できない。
2.日本企業で残業現象が盛んでいる原因
日本企業で残業現象が盛んでいるのは、以下の要因が考えられる。
2.1 経済的または社会的な原因
第二次世界大戦後、日本は経済復興期に入った。その十年後、高度経済成長期に入った。このような素早く発展できるのは、日本人の努力が欠かせないものである。その努力はある意味で「滅私奉公」と言える。ある「猛烈社員」は仕事を優先させることによる家庭を顧みるゆとりさえなくなってしまった。筆者にはその時期から残業現象が日本人の中で広がってきたと考えられる。
一般には残業は景気の変動に敏感に反応する。景気が良くなると、企業は残業時間を増加させるや従業員を増加させるなどの方法を取ると思われるが、不況になっても、社員の労働時間を長くさせる状況もある。一つの例として、バブル崩壊以降の不況で多くの会社は人員削減が行ったから、残された社員の業務量がかえって著しく増えた。ちなみに、サービス残業が増えてきた時期もバブル崩壊以後からだ。
もう一つの原因は日本では家庭主婦が多い。ワークウーマンがだんだん増えてきた現在でも、家庭主婦の数量はまだ多い。家での事は全部妻に任せているから夫が仕事ばかりしていても、日常生活に何の差支えがないと言えるのではないだろうか。
今の社会は情報化社会と言える。Eメールや携帯電話の普及に伴い、情報を取ることが便利になってきた。問題は、これも所定外労働時間を長くする一つの要因である。今報告書や仕事の依頼などはメールで交換することが多い。それで、会社員は家に帰って、コンピュータで仕事をする持ち帰り残業は普及してきた。携帯電話も同じ、休日まで携帯が鳴ると、仕方なく仕事をする人がいる。
2.2 会社側の原因
終身雇用と年功序列は日本特有な企業管理制度である。この雇用管理制度のもとで、社員は企業への帰属意識が強い。それに、仕事熱意は社員の人事評価に大きな影響を与えている。自分の仕事熱意を示すため残業を定例化する会社員は少なくない。
バブル崩壊後の十数年間つまり90年代後半にわたって、多くの日本大企業が年功主義から成果主義への人事政策の転換を試みてきた。
人事評価上の成果主義とは、従業員など個人の仕事の成果を昇進や昇給の基準とするものであり、一定の職務をこなすことができる能力(職能)を基準とする職能主義と対比されるものである。日本企業での成果主義は日本特有な経営理念を含まれている。それで、その成果主義によって、定期昇給が凍結され、賃金もカットされる社員は昇進あるいは昇給するためにより高い業績を挙げるしかない。このように、一部分の社員は長時間残業に強いられる状態になっている。
日本企業には、正規社員*と非正規社員*がある。非正規社員を増やすことによって、人件費コストを削減し、収益力を高めるなどの効果が期待される。しかしながら、かつて社員で補っていた業務を残業させられない非正規社員に置き換えられたことで、正社員が過剰に働かざるを得ない状況が発生している。
また、もうひとつ無視できない原因は会社の風土である。多くの日本企業において、居残るのは当たり前のことだから定時で帰るのはかえって「皆が残業しているから、先に帰りづらい」という精神的なプレッシャーを感じることが多い。それがゆえに、日本企業で「付き合い残業」という独特な残業がある。そんな雰囲気の職場で、社員は帰るには帰れないのではないだろうか。
2.3 個人側の原因
韩立红(2000)は、「日本は勤勉な民族だと言われている。日本人の勤労は、稲の栽培に表られただけではなく、現代企業活動の経営にも表れた。日本人はよく「働きばち」と言われているが、退勤の時間になっても、会社に残って、残業をやる社員も絶対多数でいた」と述べている。こから、仕事への情熱は日本人がよく残業するの一つの原因と考えられる。
日本人の集団帰属意識が強いので、社員たちは企業という社会集団の中で人間関係を重視する。それで、退社時間になっても同僚たちがまだ働いている場合、自分だけが先に帰りにくいと考えている人が多い。一方、現代日本企業で終身雇用、年功序列といった雇用管理制度の崩壊に伴い、不況に当たる時、大規模なリストラを行う企業は多くなってきた。このような状況で正社員たちは強い危機感を抱えながら自分の位置を守るために仕方なく残業しているということが想像できる。
また、数多くの日本人が自分の仕事を締め切りまで納得できるように仕上げるため、退社時間に至っても退社せず仕事に専念する。ここから、まじめで責任感の強い人ほど残業に追われることがわかる。それに、この場合、サービス残業をする人はほとんどである。
3.残業がもたらした影響
前章では、日本企業で残業が盛んでいる原因について分析した。本章では、残業がもたらした影響(主に不良影響)について検討してみたい。
3.1 社会または個人に対する影響
前章で述べたように、日本経済飛躍の一つの要因は、自分のプライベート時間さえ犠牲した「猛烈社員」が存在したということだ。しかしながら、現在の日本社会に対する長時間残業やサービス残業などはいくつかのデメリットがある。
まず長時間労働による過労死は今日本で深刻な社会問題になっている。『週刊東洋経済』(2008年10月25日号)で過労死に関する特別報道によると2007年日本国内の過労死認定件数は392件、過去最高を記録した。これについて、日本の過労死弁護団全国連絡会議事務局長玉木一成弁護士がそう言った『この増え方は尋常じゃない。しかも数字は、あくまでも認定件数。表に出ることのない過労死は、その数倍にも及ぶと考えられます。』。厚生労働省は過労死ラインを月平均残業時間が80時間と定めた。しかし、そのラインを超えて長時間残業をしている人はいる。その中で月には200時間を超えて残業した人さえいる。この場合、働く人がいかに肉体的または精神的な負担を負うだろうか。想像に難くない。たとえその人が過労死まで行かなくとも、体を崩すや精神性疾患や自殺などを起こす可能性も高いのではないだろうか。長時間残業は働く人の心身的疲労回復を阻害していくと言える。
また、残業時間は長くなる反面、自分のプライベート時間は少なくなる。そもそもこのプライベート時間を利用して、専門知識あるいは他の知識を学ぶことに通して自分の腕前を上がることができる。ここから、残業は個人能力の開発にも阻害していることが示唆された。なおさら、休みの減少は仕事の効率にも一定の影響がある。
長時間残業は働く本人だけではなく、その人の家庭にもシワを寄せる。「長時間労働の男性が結婚している場合、多くの妻は専業主婦を選択せざるを得ない、その意味で男性の長時間労働は、女性の就職機会を奪っている。(玄田有史 2005 P94)」つまり、男性の長時間労働は女性を家庭に縛りつけている。ここから、男性の残業は女性の社会地位に一定の影響を及ぼすことが見られる。また、労働時間が長くなると、家族メンバーとのコミュニケーションは少なくなる。具体的にある長時間残業を定例化する男性の一日を見よう。一日の仕事が終わって家に帰ると、もう深夜になり、子供たちはもう寝た。妻と簡単に話し合ってから風呂に入り、ベットにつく。この人は結局、子供から疎遠されるかもしれない。彼は定年後、家で寂しくなる可能性も高い。さらにいろいろな原因を加えて、妻から突然離婚を切り出される「熟年離婚」のケースさえある。
3.2 企業に対する影響
長時間残業は企業にとって一時的な利益を出すが、長期的なビジョンから見れば決して良いとは思えない。
考えてみよう、たとえ企業での社員は皆やり切れない仕事に追い詰められ、自己研修の時間どころか、睡眠の時間さえ足りないのなら、この企業にとって、全体の活力が失っていくのではないだろうか。それに、社員は過剰に働かせることによって、企業への信頼感と満足度を喪失していく間に企業への定着志向も低くなっている。玄田有史(2005)は「企業が事業再構築をしようとしても、労働者に過度の負担を強いることによって、結局は業務改革に取る組む意欲が喪失される」と述べている。つまり、長時間残業の普遍はかえって企業の発展に阻害しているかもしれない。
4.現代日本企業における残業の意義及び行方
以上のことから、日本企業で残業が盛んでいるのは日本の社会環境、企業文化または日本人の性格に関係深いということがわかった。それに、過剰の残業は働く本人の心身健康やワーク・ライフ・バランス*に不良影響を与えるだけではなく、企業の発展にも阻害している。したがって、現代日本企業にとって残業はなくした方がよいと思われる。
日本では長時間労働が深刻な社会問題になってきた。これがゆえに、長時間労働は多くの方々から注目を集められている。2007年、日本国内では政府、地方公共団体、経済界、労働界の合意により、「仕事と生活の調和(ワーク·ライフ·バランス)憲章」が策定された。
日本の労働基準法では残業についての規定が設けられる。一般的に従業員に残業をさせることができるのは、労使協定によって時間外労働を締結している場合だ。この労使協定を俗に「三六協定」(サブロク協定)と呼ぶが、労基法36条(注1)によって認められるものだ。「三六協定」は日本国内で労働者が残業させることができる条件や労働延長時間の限度などについて定められた法律である。
また、日本政府側も長時間労働、賃金不払い残業などの現象を抑制するためには、いろいろな指導政策を行った。日本で労働者の権利を守る行政役所は厚生労働省である。厚生労働大臣は各企業の労働時間や残業代払い状況などを監督また必要な時指導権利を持っている。
社員のワーク·ライフ·バランスを考えて残業を減らすために「定時退社」や「ノー残業デー」などの措置を真剣に取り組んでいる企業が少しずつだが出てきている。それに、最近テレワークの活用による在宅勤務制度をしている企業もある。
長時間労働によって従業員は企業に対する不満がだんだん増えてきた。それに従って、従業員から行政当局への訴訟も増えてきた。これによって、厚生労働省は表面的に現れていない状況も受け取ることができる。さらに、現代の若者はプライベートな生活を重んずているから、残業の多い企業は多数の人に嫌われているおそれがある。
以上に踏まえて、今後日本企業での残業は少しずつ減っていくと言えるだろう。
おわりに
企業に就職した会社員にとって、高賃金で就業時間が短い企業が好きだ。一方、企業側からすれば、出来るだけ人件費を削減し、賃金を安く抑えると同時に労働時間を多くしたいのは本音だろう。
しかし、企業は従業員あってからこそのものだ。緊密で温和な組織的関係は企業と従業員にとって良い関係だと思われる。そのような関係を守るために、企業側は従業員の業績を注目するだけではなく、従業員の心身健康やワークライフバランスや能力開発などに関心を払うべきだ。従業員のワークライフバランスなどの一番の障害は長時間労働である。長時間労働を解消すれば、個人は長時間労働による心身的な疲労や家庭問題と、余暇の不足などの問題から解放することができる。さらに、余暇時間を利用して、自分の能力を開発することも可能になる。それによって、社員の仕事能率も上がるはずだ。それで、社員たちが絶えずに新しいアイディアを出すことによって、企業の活気を保つことができる。そのうえ、労働時間を減らすことによって、従業員は企業への満足度も増えるはずだ。つまり、残業時間を減らすとは、個人にとって、企業にとってメリットが多いことだ。
残業時間を減らす、あるいはノー残業にするから、仕事の量を減らすというわけにはいかない。生産性を確保しながら定時の退社を実現するには、業務効率の改善が必要だ。それは、企業側も個人側も共に努力すべき課題だと思われる。