本文是一篇日语留学生论文,本次翻译实践的对象属于信息型文本,因此翻译时必须遵循信息传递、正确性、忠诚性、重视接受者等翻译原则。同时,由于使用了很多专业术语,所以信息量大,很难将其适当地翻译出来,这也是其特征之一。
1 はじめに
1.1 実践の背景
21 世紀に入ってから、社会環境はすさまじいスピードで変化を続けている。特にグローバル化にしたがい、コンピューターなどの技術革新による社会の変革は、人々の生活に大きな影響を与えていく。プログラミングが、数学や英語と同様の教養となる時代がすぐそこまで迫っていて、プログラミング関連書籍の需要も増加していくのである。
日本語のプログラミング書籍は挿絵や 2色刷りなど、見やすい書籍がたくさんあり、机上の空論ではなく非常にリアルな内容で、読者は全体像がざっと分かるようになる。見た目は堅く、親しみにくいプログラミング書籍でも、読者に気軽に読めるのである。
しかし、このような良質のプログラミング書籍は、まだ十分に中国語に訳されていない状況である。プログラミング書籍は翻訳理論家ライス(Katharina Reiss,1923)の分類によると、情報型テキストに属している。情報型テキストの翻訳は語学能力の他に、専門知識もある程度要求されるので、実際の必要に対しては、翻訳書籍の量がまだ少ないのである。
こうした背景のもとで、本実践は情報型テキストの典型ともいえる、プログラミング書籍『苦しんで覚える C 言語』を翻訳している。
1.2 実践の内容
本実践の対象はスマートフォンを中心にゲームや Web の開発を行っているプログラマー森口将憲さんの書いた書籍『苦しんで覚える C 言語』(通称「くる C」)であり、元々は Web で人気だった初心者を対象とした C 言語入門講座だが、2016 年に秀和システム出版社により書籍化されていた。タイトルから難しそうな印象を受けるが、そんなことはなく、C 言語の基本機能を体系立て、丁寧な解説が特徴である。C 言語勉強書の定番と言ってもいいと言われている。
2 先行研究
2.1 テキストの分類に関する先行研究
テキストタイプ論は、ドイツの機能主義翻訳理論家ライス(Katharina Reiss,1923)によって提唱され、イギリスの翻訳理論家ピーター・ニューマーク(Peter Newmark,1916)などの言語学者によって継承されたものである[1]。
ライス(1971)は、言語には叙述機能、表出機能、訴求機能の三つの機能があると主張したドイツの心理学者と言語学者であるビューラー(Karl Bühler)の「organon model」 を翻訳理論に適用し、テキストのタイプによって優勢となる機能に差があると考え、どのような機能がそのテキストで優勢なのかにより、テキストを 3 つに分類した[2]。すなわち情報型テキスト(informative text)、表現型テキスト(expressive text)、効力型テキスト(operative text)の 3 つのタイプである[3]。
この後、ニューマークも Karl Bühler の語言機能に基づき、テキストを 3 つに分けていた。ニューマークは「翻訳問題探索」という本で文章の種類を表現機能、情報機能、呼格機能と分けた。二人の理論も Karl Bühler の語言機能から誕生され、数多くのテキストの機能をまとめた。両方とは異なる類型(sub-type)に対しての翻訳の具体的方法は少し異なるが、特に大きな区別がない[4]ため、本稿はテキストのタイプを情報型、表現型と効力型と見なされている。
2.2 情報型テキストに関する先行研究
以下は情報型テキストを分類と機能と翻訳の規範という三つの方面から論述する。情報型テキストの分類、つまりどんなテキストが情報型テキストなのかについては、ライスは情報型テキストは主に客観的事実を論述すると述べている。例えば、インフォメーション、知識、考え方等。それらの言語は論理的で、指示的意味(referential meaning)を常に使用するのが特徴であり、コミュニケーションの焦点は、内容または話題である[5]。情報型テキストは情報の伝達が主な機能であり、表現型テキストは発信者の考えと表現の特徴を伝える。そして、効力型テキストは受信者を説得して何らかの行為をするように訴える機能が重視されるのである[6]。
一方で、ニューマークもどんなテキストが情報型テキストなのかについて自分の意見を提出した。ニューマークは、情報型テキストには科学教科書、技術報告書、ビジネス文書、産業文書、経済覚書などが含まれていると考えており、その一番重要なのは言語自体ではなく、言語によって伝達される情報である[7]。
ニューマークとライスは、科学知識を普及する文章も専門的な文章も、すべて科学技術文章の話し方を使い、情報型テキストに分類するべきであると述べている[8]。
典型的な情報型テキストには、1. 科学と技術に関する学術論文 (academic papers) 2. 技術用語を含む教科書 (textbooks) 3. 大衆科学または芸術の書籍 (popular science or art books)4. ハイテク以外のニュース ( popular journalism )が含まれる[9]。
情報型テキストが果たしている機能については、坪井睦子(2012):情報型テキストで優勢な言語機能は「叙述機能」であり、そこでは伝達内容レベルでの正確性、等価が求められる。このタイプの典型が、ニュース報道、学術書、公文書などであると述べている[10]。
3 実践のプロセス ..................................................... 9
4 翻訳における問題点及び解決策 ........................................ 11
4.1 専門用語の翻訳 ................................................. 11
4.1.1 符号の翻訳 ...................................... 11
4.1.2 「日本語」型の専門用語の翻訳 ....................................... 14
5 おわりに ............................................ 31
5.1 結論 ......................................................... 31
5.2 心得 ....................................................... 31
4 翻訳における問題点及び解決策
4.1 専門用語の翻訳
本実践の原文は情報型テキストのため、さまざまな専門用語が入っている。それら専門用語の理解も難点の一つでもあると考えられている。『図書館情報学用語辞典 第5 版』によると、「専門用語、すなわち専門分野で流通するという社会的観点から認定される分野依存の語(単語や句など)の集合。また、それを対象とする研究。」と述べている。本実践はプログラミング言語の C 言語入門書の翻訳なので、情報型テキストの翻訳に該当している。これについては、ニューマークの「コミュニケーション重視の翻訳」ストラテジーは正確に翻訳することを重視するべき、訳者は原文の意味を正しく理解するのが正確に翻訳する前提であることを示唆している。専門用語を正確に理解することは重要だと考えられている。
4.1.1 符号の翻訳
コンピューター関連の情報型テキストにはいろいろな符号があり、一般的には、符号は世界共通の表記があるが、時には文化や国によって異なる場合もある。したがって、原文の符号の表現をそのまま翻訳するのは不適切で、十分な調査をしたうえで、正確に翻訳するべきである。
【例 1】
原文:変数はブロックの一番初め、つまり { (中カッコ) のすぐ後ろに宣言しなければならないので、下記のようなコードは書くことができません。(99 ページ、アンダーラインは筆者注、以下同様)
訳文:变量必须在程序块的最开始,也就是{(大括号)的末尾立刻进行声明,所以像下边这样的代码无法在 ANSI C 下运行。
分析:日本語で{}は「中カッコ」と呼んでいるが、「中カッコ」は中国語で[]を意味している。{}は中国語で「大括号」と「花括号」と言うべきである。
日本語辞書を参照しながら、「中カッコ」には『大辞林』(第三版)の解釈が次のように書いてある。すなわち「文章や数式中カッコを表記するために用いる括弧の一種。{ }の形のもの」。中国語の「中国知網」で検索すると、刘颖 (2008)によれば、解釈が以下のように書いてある。「括号包括小(圆)括号“()”、中(方)括号“[ ] ”、大(花)括号“{}”、角括号“〈〉”等[37]。」これらの解釈を見れば、日本語と中国語との違う「中カッコ」の意味が一目瞭然になる。
5 おわりに
5.1 結論
今回の『苦しんで覚えるC言語』の翻訳を通じて、情報型テキストの翻訳を経験でき、C言語の入門基礎やコンピューターに関する知識が少しわかるようになった。そして、翻訳実践の中では、専門用語と文の翻訳において、ニューマークの「コミュニケーション重視の翻訳」ストラテジーに基づき、並行文献を参照しながら、翻訳の問題及びその対応の方法を探求してきた。
今回の翻訳実践の対象は情報型テキストに属するため、翻訳する際に、情報の伝達、正確性、忠実性、受容者重視などの翻訳原則に従わなければならない。それと同時に、専門用語が多く使われているため、情報量が多く、それを適当に翻訳のは難しいであることも特徴の一つである。「コミュニケーション重視の翻訳」ストラテジーの読者重視によって、いかに訳文を正確で、忠実で、受けやすい翻訳になれるかをまとめた。今回の実践では、著者のC言語を初心者に教えるという目標を読者に確実に伝えることを目指した。続いては、専門用語と文について、本実践の結論をまとめている。
専門用語の翻訳は、正しく翻訳すると読者重視という方針に従って、並行文献を参照しながら、適当な訳語を使い、必要な時訳注を入れている。文の翻訳については、文脈を重視して、逐語訳的な翻訳を避け、文の前後の一貫性を重要視している。原文の情報を把握したうえで、明示化や省略の対策を取って、読者に理解しやすく翻訳した。
参考文献(略)